Windows 10のOS展開方法は「3パターン」

Windows 10の運用に関してはまず、OSの展開方法、すなわちOSをどのようにPCにインストールし、セットアップするかを考えるのが最も重要です。その方法は大きく3つに分けられます。OSのクリーンインストールを行う「ワイプ&ロード」、OS部分のみを書き換える「インプレースアップグレード」、そして業務端末としての設定データを展開する「プロビジョニング」です。

ワイプ&ロード

ワイプ&ロードは、マスターイメージを作成し、OSを一から新しくクリーンインストールする方法です。従来のOS展開方法であり、多くの企業がこの方法で展開していると思います。MicrosoftもWindows ADK Microsoft Deployment Toolkitなど、無償ツールを提供していますので、ぜひ利用してみてください。

・Microsoft Deployment Toolkit Team Blog
・Microsoft Deployment Toolkit(8443)
・Microsoft Deployment Toolkit(MDT)最新版
・Windows ADK for Windows 10
・Surface Device展開および管理ガイド(※Surfaceシリーズ以外でも応用可能な解説書)

インプレースアップグレード

2つ目のインプレースアップグレードは、OSを上書きして、Windows 7からWindows 10などにアップグレードする方法です。ワイプ&ロードよりも手順は少なくて済みますが、この方法が適用できないケースもあります。それが以下の4つです。

・アーキテクチャが変わる(x86からx64へ)
・BIOSからUEFIへの変更
・Windows To Goや、VHDからブートしているシステム
・デュアルブートまたはマルチブート端末

さまざまなお客さまを見ていると、ここ2、3年で導入された端末はインプレースでWindows 10へ、4~5年以上たった端末の場合、デバイスを新規購入するケースが多いように思います。

プロビジョニング

3つ目の展開方法はプロビジョニングです。管理者がポリシーやドメインへの参加情報といった、業務端末としての設定を1つのプロビジョニングパッケージとして作成。端末を配布されたユーザーが、自らパッケージを適用するという仕組みです。イメージングをしなくていいため、素早い展開が行えるのが特徴です。

この新しい展開方法は、まだまだ設定できることが少ないですが、Active Directory(AD)への参加やWi-Fi設定などであれば、対応できます。新しくWindows 10が内蔵されている端末を導入する計画があるなら、ぜひ試してみてください。

●機能更新プログラム(アップグレード)の配信タイミングはどうしよう?

Windows 10運用の2つ目のポイントは、アップグレード配信のタイミングです。前回もお話しましたが、サービス提供のモデルが変わったことにより、より計画的な検証が求められるようになります。

私がオススメするのは“2段構え”の検証体制である「パイロット運用」です。今までOSのEOS(=End of Support)に合わせて検証のスケジュールを立てていた企業も多かったと思いますが、新OS(またはInsider版)が出た段階で、情報システム部門などは検証を始めるとともに、会社の各部署から代表者を決め、常に最新の機能が提供される「Current Branch(CB)モデル」を、一足先に導入して使ってもらうといった方法が、後々のトラブルを減らすにはよいと考えています。

●データサイズが大きすぎて配布できないんですけど……

3つ目のポイントは「配布するデータのサイズ」。OSのデータサイズが大きすぎて、とてもじゃないけど配信できない――これこそ最もよく聞く悩みです。

現状、WSUSではISOファイルをESDファイルに圧縮することで約30%の容量削減(約3.6Gバイトから約2.5Gバイトに)に成功していますが、さらに今後は、Redstone 2(RS2)からRedstone 3(RS3)にインプレースアップグレードする際には、差分更新に変えてOSの容量を圧縮する計画があります。

とはいえ、それでもOSのサイズは2Gバイト弱の予定です。「まだまだ厳しい」というコメントもよく頂きます。そのため、私たちマイクロソフトでは、配布ポイントとなるサーバを拠点に置くこと、またはバックグラウンド インテリジェント転送サービス(BITS)による帯域制限を行い、最適配布を行う機能をお勧めしています。P2Pキャッシュにより、帯域をひっ迫することなく配布ができるようになります。

今回は「OS展開の方法」「OS展開のタイミング」「配布するためのインフラ」という3つの観点でWindows 10の運用計画についてお話ししました。皆さんはWindows 10の運用についてイメージは湧きましたか? 次回は最後、OSの管理についてご紹介します、新機能の「Upgrade Analytics」など、どのアプリがWindows 10に対応しているか、自動で探すサービスも無償でリリース予定です。ぜひ続報をお待ちください。

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