Office 365を使いこなして仕事を早く終わらせたい皆様にお届けする本連載。第13回は「Microsoft 365 Business」を取り上げる。
本連載は、マイクロソフトのSaaS型デスクトップ&Webアプリケーション「Office 365」について、仕事の生産性を高める便利機能や新機能、チームコラボレーションを促進する使い方などのTipsを紹介する。

個別契約よりも月千円コストダウン

日本マイクロソフトが2017年11月から提供を開始したMicrosoft 365 Businessは、従業員規模300人以下の中堅中小企業を対象に、Office 365 + Windows 10 Business + EMS(Enterprise Mobility + Security)をワンパッケージにしたソリューションだ。上位版として、大企業向けにOffice 365 Enterprise + Windows 10 Enterprise + EMSをセットにしたMicrosoft 365 Enterpriseを8月から提供している。

Office 365とMicrosoft 365の価格差だが、Office 365 Business Premiumが1ユーザーあたり1360円/月に対して、Microsoft 365 Businessは1ユーザーあたり2180円/月(2017年11月現在)。下の図1に示した表をご覧になるとお分かりのとおり、Office 365の機能に関しては大きな相違点はない。

Microsoft 365 Businessのアドバンテージは社内のPCやスマートフォンに保護ソリューションを付与できる点だ。いまだ多くの企業がリース会社の契約タイミングなどから、Windows 7など古いOSを使い続けているケースは少なくない。数年後の2020年1月にはサポート終了が迫っているにもかかわらずだ。このようなシナリオでMicrosoft 365 Businessを必要な件数だけ契約した場合、Windows 10の永続的なライセンス付与と無償アップグレードに加えて、Office 365デスクトップ版の自動展開、クラウド経由でID&アクセスの制御、モバイルデバイスの管理が可能になる。

EMS E3は1ユーザーあたり950円/月だが、Office 365 Business Premiumの1360円/月と合算すると、それだけでMicrosoft 365 Businessの契約費を超えてしまう。さらにWindows 10のサブスクリプションは、CSP(Cloud Solution Provider)経由で購入可能なWindows 10 Enterprise E3/E5は760円/月。SKUの差異があるため厳密な計算ではないものの、個別に購入すると約3000円/月のソリューションがMicrosoft 365 Businessは2180円/月で契約できる。つまり、Microsoft 365 Businessは「全部入り」で少々「安い」のだ。

だが、誤解を恐れずに述べれば、EMSによるデバイス・セキュリティ管理を必要とせず、既にWindows 10 PCを利用している中堅中小企業にとってMicrosoft 365 Businessは無用の長物だ。例えばWindows 10 PCを購入している場合、OSのライセンスが重複するため、お得になるとは言い難い。それでもPCの電源を入れるだけで、一連のセットアップやアプリケーションの展開などを可能にするWindows AutoPilotを使えば、デバイス管理の負担は大幅に軽減する。この点は専任のITシステム部門を持たない中堅中小企業にとって、大きなアドバンテージとなるだろう。

つまりMicrosoft 365 Businessに注目すべきは、生産性向上を求める現場の従業員ではなく、コスト見直しなどを求める経営層だ。出先から会社支給のタブレットでSharePoint Online上のカタログデータを参照し、営業先で顧客に提示するといったワークスタイルを実現するにはデバイスの保護が欠かせない。だからといって小難しいIT保守管理のために人員を割くのが難しく、高額なコンサルティング費用の捻出も難しい状況下であれば、Microsoft 365 Businessは興味深い存在となるはずだ。

 

 

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